Planex GW450Sは、802.11ac/n/aに対応した5GHz帯専用のUSB無線LANアダプタです。
Openblocks AX3およびA7での動作検証を行いました。
OBDN技術ブログによる動作検証は、該当するデバイスの動作を保証およびサポートを行うものではありません。
内容に関するご指摘などありましたら、ブログ記事の担当までご連絡下さい。
<検証環境>
OpenBlocks AX3/4 Debian 7.5 kernel: 3.2.54
OpenBlocks A7 Debian 7.5 kernel:3.2.54
1. 対応ドライバと事前準備
GW-450Sは、Reaktek 8811AUを採用しており、現在AX3およびA7/A6に搭載されたカーネル3.2.54ではサポートされていません。
Planex社の以下のページにおいて、開発者向け情報が公開されています。
開発者向け情報|無線LAN USBアダプタ|プラネックス:
ドライバのソースコードをこのページのリンクからダウンロードし、OpenBlocks向けにビルドする必要があります。
(2014/06/06現在、Reaktek社の製品情報ページからは8811Uの情報が検索出来ません)
Realtek社のチップセットに関しては、以下の記事で行った手順にて検証作業を行います。
・カーネル構築環境の導入
本ドライバは、ビルドする際に、カーネルの構築環境を参照するため、build-essentialsによる開発環境の構築のみでは、ドライバのビルドが出来ません。
以下の手順を参考に、カーネルのソースを導入し、make modules_installまでを行っておく必要があります。
カーネルのカスタマイズ手順について(非公式版) [AX3][A6]
・ソースコードの入手と展開
展開には、unzipが必要となります。
# aptitude install unzip
上記、Planex社の開発者向け情報より、Linux版のソースコードを入手します
ダウンロードしたファイルは以下の手順で解凍してください。
# unzip gw-450s_driver_linux_v424.zip
# cd gw-450s_driver_linux_v424
# unzip RTL8811AU_linux_v4.2.4_9533.20131209.zip
このパッケージは、ターゲットが対応する機器ならば、作成されたディレクトリへ移動し、
install.shによりインストールが行えるのですが、Openblocksは対応機器にありませんので、
以下の手順によりドライバパッケージのコンパイルおよびインストールを行います。
# cd RTL8811AU_linux_v4.2.4_9533.20131209
# cd driver
# tar xvzf rtl8811AU_linux_v4.2.4_9533.20131209.tar.gz
# cd rtl8811AU_linux_v4.2.4_9533.20131209
Makefileを編集します。
同じバージョンのドライバパッケージを使用する場合は、以下のdiff出力をpatch適用して下さい。
アップデートにより内容が変更されている場合は、参考にして書き換えてください。
# diff -u Makefile.orig Makefile
--- Makefile.orig 2014-06-06 10:02:14.427254000 +0900
+++ Makefile 2014-06-06 10:05:18.947254000 +0900
@@ -52,7 +52,8 @@
CONFIG_LOAD_PHY_PARA_FROM_FILE = y
CONFIG_ODM_ADAPTIVITY = n
-CONFIG_PLATFORM_I386_PC = y
+CONFIG_PLATFORM_I386_PC = n
+CONFIG_PLATFORM_OBS_ARM = y
CONFIG_PLATFORM_ANDROID_X86 = n
CONFIG_PLATFORM_JB_X86 = n
CONFIG_PLATFORM_ARM_S3C2K4 = n
@@ -709,6 +710,17 @@
CROSS_COMPILE ?=
KVER := $(shell uname -r)
KSRC := /lib/modules/$(KVER)/build
+MODDESTDIR := /lib/modules/$(KVER)/kernel/drivers/net/wireless/
+INSTALL_PREFIX :=
+endif
+
+ifeq ($(CONFIG_PLATFORM_OBS_ARM), y)
+EXTRA_CFLAGS += -DCONFIG_LITTLE_ENDIAN
+SUBARCH := $(shell uname -m | sed -e s/i.86/i386/)
+ARCH ?= arm
+CROSS_COMPILE ?=
+KVER := $(shell uname -r)
+KSRC := /lib/modules/$(KVER)/build
MODDESTDIR := /lib/modules/$(KVER)/kernel/drivers/net/wireless/
INSTALL_PREFIX :=
endif
また、本デバイスのデバイスIDをドライバソースコードに追加する必要があります。
os_dep/linux/usb_intf.cを編集し、RTL8821Aの項目にデバイスIDを追加登録してください。
#ifdef CONFIG_RTL8821A
/*=== Realtek demoboard ===*/
{USB_DEVICE(USB_VENDER_ID_REALTEK, 0x0811),.driver_info = RTL8821},/* Default ID */
{USB_DEVICE(USB_VENDER_ID_REALTEK, 0x0821),.driver_info = RTL8821},/* Default ID */
{USB_DEVICE(USB_VENDER_ID_REALTEK, 0x8822),.driver_info = RTL8821},/* Default ID */
/*=== Customer ID ===*/
{USB_DEVICE(0x7392, 0xA811),.driver_info = RTL8821}, /* Edimax - Edimax */
{USB_DEVICE(0x04BB, 0x0953),.driver_info = RTL8821}, /* I-O DATA - Edimax */
{USB_DEVICE(0x2001, 0x3314),.driver_info = RTL8821}, /* D-Link - Cameo */
{USB_DEVICE(0x2001, 0x3318),.driver_info = RTL8821}, /* D-Link - Cameo */
{USB_DEVICE(0x0E66, 0x0023),.driver_info = RTL8821}, /* HAWKING - Edimax */
{USB_DEVICE(0x2019, 0xAB32),.driver_info = RTL8821}, /* Planex - Abocom */
#endif
変更後、make および installを行います。
# make install
デバイスをUSBポートに差し込めば認識します。
デバイスは、/dev/wlan0となります。
起動時に立ち上がらない場合は、
/etc/modulesに
8821au
を追加してください。
本ドライバは、そのままmake するとデバッグメッセージをconsoleに表示しますので、console作業等で気になる場合は、include/autoconf.hにおいて、DEBUGもしくはDBGと書かれたdefine行をコメントアウトすることにより抑止出来ます。
2. wpasupplicantパッケージの導入および設定
以下の記事を参照して下さい。
[.tested] Logitec LAN-W150N/U2WH(BK) 無線LANアダプタ [AX3]
本製品は5GHz帯専用の製品ですので、AP側も対応したものを使用する必要があります。
以下の通り、クライアントモードでの動作を確認しました。
# ifconfig wlan0
wlan0 Link encap:Ethernet HWaddr 00:22:cf:eb:8d:2b
inet addr:192.168.10.107 Bcast:192.168.10.255 Mask:255.255.255.0
inet6 addr: fe80::222:cfff:feeb:8d2b/64 Scope:Link
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1
RX packets:19492 errors:0 dropped:3063 overruns:0 frame:0
TX packets:2187 errors:0 dropped:4 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:1000
RX bytes:172328795 (164.3 MiB) TX bytes:4108434 (3.9 MiB)
# iwconfig wlan0
wlan0 IEEE 802.11an ESSID:"******" Nickname:"<WIFI@REALTEK>"
Mode:Managed Frequency:5.18 GHz Access Point: 00:1D:73:C2:F2:A0
Bit Rate:150 Mb/s Sensitivity:0/0
Retry:off RTS thr:off Fragment thr:off
Encryption key:****-****-****-****-****-****-****-**** Security mode:open
Power Management:off
Link Quality=48/100 Signal level=56/100 Noise level=0/100
Rx invalid nwid:0 Rx invalid crypt:0 Rx invalid frag:0
Tx excessive retries:0 Invalid misc:0 Missed beacon:0
3. さいごに
今回は、クライアント接続のみのテストとしています。
AP化や、WPSボタンの使用方法に関しては、前回の記事を参考に試してみてください。